シフト制の休業手当はどうなっているの?

新型コロナウイルスの影響によって、スタッフに休業手当を支払わなければならない場面が多く出てきました。ほとんどのホテルはシフト制で勤務管理しており、社員だけでなく、アルバイトやパート社員に支払うべきかというお悩みをあることでしょう。休業手当の内容や基準を解説します。

目次

    シフト制の休業補償は必要?

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    ホテル業界は社員でもシフト制で勤務管理をしていることが多いですよね。

     

    そもそも休業手当は、会社側の都合で所定の労働日にスタッフを休ませた場合に支払う義務があります。

     

    労働基準法第26条では「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」と明記されています。

     

    労働基準法で定められている通り、会社都合でスタッフを休ませたのにも関わらず、休業手当を支払わない場合は違法となってしまうおそれがありますので注意しましょう。

     

    社員などの立場に関わらず、労働時間が定まらないアルバイトやパートも労働基準法の範囲内です。労働条件通知書等で定められた日数を確認し、支払うべき休業手当の日数を確認することが必要でしょう。

     

    参照:労働基準法/厚生労働省

     

    シフト制の休業手当の算出方法

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    シフト制のアルバイトやパートに関して「週〇日」「1日〇時間」と明確でない場合は、本来働くはずだったシフトの労働時間を考慮し、平均賃金を計算しましょう。

     

    ここで注意が必要なのは、雇用保険加入・未加入(週20時間以上・未満)の場合では違いがあるので、本来のシフトはその違いに基づいて作成することです。

     

    さらに、休業手当の支払いは労使できちんと話し合って決めることが適切でしょう。

     

    雇用調整助成金が受け取れるのはどんなケース?

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    会社側が休業手当をスタッフに支払う場合、国から「雇用調整助成金」が支給される可能性があります。

     

    雇用調整助成金とは事業主が休業させたスタッフに支払う休業手当を助成するもので、休業手当をスタッフに支払った事業主に支給されます。支給対象となるには、スタッフが事業主から休業手当を受け取ることが前提で、休業期間中の休業手当が平均賃金の60%以上であることが必須です。

     

    雇用調整助成金が支給されるのか、「シフト制のアルバイト・パート」「業務委託されているスタッフ」「労災加入の事業所」など、それぞれのパターンに分けて考えてみましょう。

     

    シフト制のアルバイト・パート

     

    新型コロナウイルスによってやむなく休業してもらう、といった理由以外でも、会社都合で急に「この日は忙しくならないだろうから休んでほしい」といった旨でも休業手当を支払う義務は発生します。

     

    先述の通り、会社都合でアルバイト・パートを休ませる場合は休業手当を支給することができ、その際も雇用調整助成金の対象となります。

     

    アルバイトやパートの労働日数・時間は不安定ですが、休業手当の支給するには、直近3ヵ月のシフトや昨年の同じ時期のシフトを踏まえて、休業してもらう月の仮シフトも作成してみましょう。

     

    事業主は仮シフトを基に、スタッフがそのシフトで労働したと考えて休業手当を出すようにしましょう。ここでも労使による話し合いは必要です。

     

    業務委託されているスタッフ

     

    会社に直接雇用されているわけではなく、業務委託契約のスタッフの場合は休業手当を支給する必要はあるのでしょうか。

     

    原則、休業手当は会社側から支給しなくても問題なく、雇用調整助成金の対象ではありません。業務委託者は一事業主とも考えられるので、別の事業保証を受け取るほうが自然です。

     

    しかし、事業主から日常的に「マニュアルに従え」など、業務上の指示命令がなされていた場合は休業手当を支給する対象となる可能性があります。本来、業務委託者は会社による指示を受ける義務はないのです。ですので、一般社員と同じように扱われているケースでは休業手当・雇用調整助成金の対象としなければなりません。

     

    労災加入の事業所

     

    休業手当や雇用調整助成金の対象となるには、まず労災に加入していることが条件となります。労災が未加入の事務所で働いているスタッフは休業保証もなければ、事業主は雇用調整助成金も受け取ることができません。

     

    労災が未加入だとスタッフが労働中に事故に遭ったりケガをした場合、保証がきかないことになってしまうので、万が一労災未加入であれば見直したほうが良いでしょう。

     

    参照:休業、休業手当等/厚生労働省

     

    新型コロナウイルスの休業は会社都合になる?

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    世界的流行を記録した新型コロナウイルス感染症を防ぐための休業対策は、果たして労働基準法の「使用者の責に帰すべき事由」にあたるのでしょうか。

     

    厚生労働省によれば「個別案件ごとに諸事情を総合的に勘案するべき」とされており、「会社の責ではない」と言い切っているわけではありません。しかし、どちらかと言えば、スタッフに休業手当を支払うことを推進している傾向があるでしょう。

     

    ただし、休業手当を支給し雇用調整助成金を受け取るうえで、「使用者として休業を回避するための具体的努力を最大限尽くしていると言える必要がある」という条件が提示されています。

     

    「休業を回避するための具体的努力」を具体的に言えば、「自宅勤務などの方法でスタッフを業務に従事させること」や「スタッフが他にできる業務がないか」など、安易に休業させていないかがポイントとなるようです。

     

    参照:厚生労働省Q&A

     

    十分な休業手当でスタッフの離職を防ぐ

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    新型コロナウイルスの影響も大きく、いかにこの不安定な時代を乗り切るのかが企業の将来を左右することになるかもしれません。

     

    このような時代を企業が生き抜くにはスタッフを守ることも必要です。多くのホテルが従業員を解雇せざる得なくなってしまったり、厳しい状況は依然と続いているでしょう。しかし、企業がスタッフを守るという姿勢を示すことで、スタッフの離職率を抑えることができるのです。

     

    その際は労使での話し合いは欠かせません。そのうえ、スタッフを守るためにどのような判断を行ったのかも説明することも大切です。そうすることで、企業とスタッフの間により強固な信頼関係も築くことができます。優秀な人材ほど、企業がどのようにスタッフを守るのかというポイント大切にしているものですよ。

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