退職金の相場はいくら?定年時の平均額や企業規模・勤続年数・業種ごとの相場を紹介

退職金の金額は企業ごとに異なりますが、相場がどのくらいなのかを押さえておきたい方もいることでしょう。企業規模・学歴・勤続年数・業種など、さまざまな条件を掛け合わせた退職金相場をご紹介しますので、老後のマネープランの参考にしてみてくださいね。2つの退職金制度の違いについてもご紹介しています。

目次

    退職金の相場は立場によって変わる!

    退職金の金額は、さまざまな条件の組み合わせによって決定されます。金額の決定に大きく関わるのは、下記のような条件です。

    • ・年金制度(退職一時金/企業年金など)
    • ・企業規模(大企業/中小企業)
    • ・学歴(大学卒/専門卒/高校卒など)
    • ・勤続年数(3年/5年/10年/15年/20年/30年など)
    • ・退職理由(定年/自己都合/会社都合など)
    • ・業種

    退職金は勤め先の退職金制度をはじめ、企業規模・学歴などによって金額が異なりますので、残念ながらいくらになると断言はできません。ただし、受け取り金額の目安となる退職金の相場はあります。

     

    本記事では、企業規模・学歴の掛け合わせから算出された定年退職時の退職金相場をご紹介します。勤続年数・退職事由・業種を掛け合わせた退職金相場もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

     

    定年退職時の退職金相場

    iStock.com/AleksandarNakic

     

    まずは、定年退職時の退職金相場をみていきましょう。大企業・中小企業の2つの企業規模、大学卒・高校卒の2つの学歴を掛け合わせた退職金相場をご紹介します。

     

    大企業・定年退職の場合

    学歴 × 企業規模 平均退職金額・相場(男性)
    大学卒 × 大企業 2,289.5万円
    高校卒 × 大企業 1,858.9万円

     

    ※大企業:調査では、資本金500億円以上かつ労働者数1,000人以上の企業として設定。

     

    大企業で定年退職まで勤め上げた場合、大学卒は2,300万円弱、高校卒は1,900万円弱が退職金の相場のようです。

     

    参照:令和元年賃金事情等総合調査 / 厚生労働省

     

    中小企業・定年退職の場合(モデル退職金)

    学歴 × 企業規模 退職金の相場(モデル退職金)
    大学卒 × 中小企業 1,118.9万円
    高校卒 × 中小企業 1,031.4万円

     

    ※中小企業:調査では、資本金の定めのない労働者数300人以下の企業として設定。

     

    東京都産業労働局が公表したデータによると、中小企業で定年退職まで勤め上げた場合のモデル退職金は、大学卒で1,100万円強、高校卒で1,000万円強という結果でした。

     

    前述した大企業の退職金相場と比較すると、およそ800万円~1,200万円前後の差があることがわかりますよ。退職金だけを重視するのであれば、大企業に勤めた方が良いでしょう。ただし、全ての大企業が安定しているとは限りません。就職の際は注意してくださいね。

     

    なおモデル退職金は、大学あるいは高校卒業後にストレートで入社し、標準的な能力値と評価を受けた場合の退職金水準を指しています。

     

    参照:中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版) / 東京都産業労働局

     

    勤続年数・退職事由ごとの退職金の相場は?

    iStock.com/pixelfit

     

    勤続年数や退職事由によっても退職金は変動します。大学卒・高校卒の学歴、勤続年数、自己都合退職・会社都合退職の退職事由を掛け合わせた退職金相場をみていきましょう。

     

    大企業の場合(モデル退職金)

    勤続年数 自己都合退職 会社都合退職
    大学卒 3年(25歳) 32.8万円 67.8万円
    5年(27歳) 63.4万円 123.8万円
    10年(32歳) 186.1万円 312.8万円
    15年(37歳) 407.6万円 588.4万円
    20年(42歳) 801.8万円 965.9万円
    25年(47歳) 1,287.0万円 1,426.9万円
    30年(52歳) 1,898.3万円 2,012.9万円
    35年(57歳) 2,368.3万円 2,455.2万円
    高校卒 3年(21歳) 34.0万円 58.0万円
    5年(23歳) 56.7万円 96.6万円
    10年(28歳) 150.8万円 230.8万円
    15年(33歳) 310.1万円 421.7万円
    20年(38歳) 609.8万円 719.5万円
    25年(43歳) 1,017.0万円 1,122.4万円
    30年(48歳) 1,451.2万円 1,537.2万円
    35年(53歳) 1,929.6万円 1,984.2万円

     

    ※大企業:調査では、資本金500億円以上かつ労働者数1,000人以上の企業として設定。

     

    勤続年数が10年~15年ほど経過したあたりで、大学卒と高校卒の退職金の開きが大きくなることがわかります。裏を返せば、それより前に退職すれば、退職金の金額はそこまで大きな差はないと言えるでしょう。

     

    参照:令和元年賃金事情等総合調査 / 厚生労働省

     

    中小企業の場合(モデル退職金)

    勤続年数 自己都合退職 会社都合退職
    大学卒 10年(32歳) 113.5万円 148.3万円
    15年(37歳) 214.9万円 266.0万円
    20年(42歳) 353.4万円 425.0万円
    25年(47歳) 524.3万円 598.0万円
    30年(52歳) 705.9万円 785.6万円
    高校卒 10年(28歳) 89.6万円 114.8万円
    15年(33歳) 168.4万円 209.1万円
    20年(38歳) 278.8万円 333.2万円
    25年(43歳) 407.3万円 471.9万円
    30年(48歳) 543.3万円 622.7万円

     

    中小企業も大企業同様、勤続年数が増えるぶん学歴による退職金の金額に開きが出てきます。ただし、大企業ほどのインパクトはなさそうです。

     

    参照:中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版) / 東京都産業労働局

     

    業種ごとの退職金相場は?

    iStock.com/FotografiaBasica

     

    最後にご紹介するのは、業種ごとの退職金相場です。算出の元となるデータの母数が多いことから、本記事では中小企業のモデル退職金を例にご紹介します。定年・会社都合退職の業種ごとの退職金相場は下記の通りです。

     

    大学卒 高校卒
    建設業 1313.8万円 1177.0万円
    製造業 1148.7万円 1080.4万円
    情報通信業 1154.5万円 864.9万円
    運輸業、郵便業 893.2万円 821.9万円
    卸売業、小売業 1088.4万円 1019.4万円
    金融業、保険業 1725.5万円
    不動産業、物品賃貸業 1353.7万円
    学術研究、専門・技術サービス業 1007.1万円
    宿泊業、飲食サービス業
    生活関連サービス業、娯楽業 1104.2万円 1129.6万円
    教育、学習支援業(学校教育を除く) 656.9万円
    医療、福祉
    サービス業(他に分類されないもの) 996.0万円 1019.2万円

     

    業界によっても、退職金の金額に差があることがわかります。これから就職・転職するという方は勤める企業・業界選びの参考にしてみても良いかもしれません。

     

    参照:中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版) / 東京都産業労働局

     

    2種類の退職金制度をおさらい!

    退職金相場をさまざまなパターンに分けてご紹介しましたが、改めて退職金制度について理解を深めておきましょう。退職金制度は、大きく分けて2つ。退職一時金・企業年金(退職年金)のそれぞれの制度の違いについてご紹介します。

     

    退職一時金制度

    退職一時金制度とは、企業が退職金の管理・支給を行う制度です。退退職金は、企業が導入している制度によって金額が異なります。下記の例をみてみましょう。

     

     退職金の決定方式  詳細
     定額制  勤続年数にのみ連動し退職金が定められる方式。
     基本給連動型  毎月の給料の一定額が退職金として積み立てられる方式。
     テーブル制  役職や勤続年数などに合わせ金額が定められる方式。
     ポイント制  個人評価など貢献性をポイントとして積み立て退職金とする方式。

     

    制度によって定められた退職金は、企業から一括で支払われます。まさに多くの方がイメージする退職金と言えるでしょう。

     

    ただし、退職一時金制度の退職金は、企業の経営状態によって支給額が減らされたり、退職金自体が支払われなかったりすることも。企業の管理下にあることは、必ず押さえておきましょう。

     

    企業年金(退職年金)制度

    企業年金(退職年金)制度とは、定年退職後、公的年金のように定期的に退職金を受け取ることができる制度です。企業年金(退職年金)制度の中にもさまざまな制度がありますので、勤め先で取り入れられている制度だけでも押さえておきましょう。

     

     代表的な制度  詳細
     確定給付企業年金(DB)  給付予定額から逆算式で掛金を決定し、退職金を積み立てる制度。管理は外部機関によって行われるため、掛金は保障される。
     企業型確定拠出年金(企業型DC、日本版401k)  企業が定めた掛金(拠出金)を積み立て、合計額が退職金として受け取ることができる制度。投資信託や保険商品と組み合わせることもできる。個人での運用も可能。
     キャッシュ・バランス・プラン(CB)  「確定給付型」と「確定拠出型」の両方の特徴をあわせ持つ制度。拠出額は企業が設定するが、個人での運用が不要。
     厚生年金基金  厚生年金の一部を企業が設立した基金で管理し、退職金とする制度。現在、利用する企業は著しく減少している。

     

    退職金制度については、下記記事でさらに詳しくご紹介しています。

     

    ホテルの退職金はどれぐらい?ホテルの退職金について学ぼう!

     

    退職金の相場はあくまでも参考に留めよう!

    iStock.com/takasuu

     

    定年退職まで働いた場合の退職金の相場は、大企業で1,900万円弱~2,300万円弱、中小企業で1,000万円強~1,100万円程度と言われています。

     

    しかし、この金額はあくまで目安。企業が取り入れている退職金制度や、ご自身の立場によって金額は異なりますので、あくまで参考程度に留めておいてくださいね。

     

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