オーバーツーリズムとは?ホテル・旅館ができる対策をご紹介!

新型コロナウイルスが猛威を振るう以前は、一部の地域では「オーバーツーリズム」が問題視されていました。観光と切っては切り離せない関係にあるのが宿泊施設ですよね。感染症の流行が落ち着きを見せるころ、ホテル・旅館ができる対策をご紹介します。

目次

    オーバーツーリズムによる影響とは?

    Viacheslav Iakobchuk – stock.adobe.com

     

    オーバーツーリズムとは、観光客数が観光地の受け入れ可能人数を大幅に上回ってしまうことを意味します。オーバーツーリズムは”観光公害”とも呼ばれ、すでに海外をはじめ日本でも大きな問題となっているのです。

     

    観光客数が増えるということは喜ばしいことだけでなく、インフラにかかる負担などをまかないきれず経済的に損をした地域も少なくありません。

     

    オーバーツーリズムの被害としては、観光地周辺の混雑・渋滞、ごみのポイ捨て、騒音問題、文化財の損傷など多岐にわたります。京都では、外国人観光客に向けて数多く配置した多言語対応の看板が街の景観を損ねてしまうという事例も発生しています。

     

    観光客にとってはオーバーツーリズムによって混雑した観光地を巡ることも苦痛ですが、観光地周辺に居住する地域の人々の負担と影響をないがしろにしてはいけません。

     

    地域の人の生活や地域環境を壊してしまうと、観光地の魅力低下にもつながってしまいます。新型コロナウイルス感染症が収束すれば、日本各地でオーバーツーリズムになってしまう可能性もあるでしょう。

     

    世界中が落ち着きを取り戻した場合、観光客がまた増加したときの対処ができるよう、長期的な戦略を考えておくことが大切です。

     

    日本でオーバーツーリズムにつながった原因

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    日本でもオーバーツーリズムの問題が現れていたのをご存知でしょうか?

     

    感染症が広まる以前は訪日外国人観光客が増え、JNTO日本政府観光局によると、2019年は10年前と比べると4倍以上も膨れ上がっているのです。

     

    その原因にはLCCと呼ばれる格安航空会社の人気に火が付いたことが一因とされており、主にアジア各国ではLCCの利用率が高いようです。

     

    また、ビザの条件が緩和されたことで、来日しやすくなっていることも一つの要因として挙げられるでしょう。とりわけ中国では、学生や富裕層向けのビザに対する条件の緩和が進み、申請や書類の提出にかかる手間が簡素化されています。

     

    LCCの登場やビザの緩和が、人気の観光地やエリアのキャパシティを超えた観光客を呼び込む原因となっています。ですが、これらは地域経済を活性化させるためには画期的な策です。

     

    たくさんの観光客を呼ぶための策を有効に使いながら、かつ”観光公害”の改善で地域がより活性化されるような動きが求められます。

     

    参考:国籍・月別 訪日外客数/JNTO日本政府観光局

     

    オーバーツーリズムによる具体的な被害事例

    Mediteraneo – stock.adobe.com

     

    オーバーツーリズムだという絶対的な基準は定められておらず、各地域の特性や住民の意識によってその基準は大きく変わります。

     

    その土地に合った適切なマネジメントを行わないまま放っておくと、被害はより深刻化することも。そういった事態に陥ってしまう前に、オーバーツーリズムで受けた被害事例を知り、今後の対策に役立てみてください。

     

    京都の事例

     

    京都の被害事例では、外国人観光客が舞妓さんを追いかけて私道に侵入してしまったり、日本家屋独特の厳かな佇まいを写真に収めようと無断でシャッターを切る行為も目立ったようです。

     

    さらにはゲストハウスなどの民泊が増えたことによって、夜中にガラガラとスーツケースを引いて歩く音が周辺に響いて眠れないといった事例もあります。

     

    バルセロナの事例

     

    過去、オリンピックの影響により観光プロモーションを拡大したところ、もともと観光地として人気の高かったバルセロナにより多くの人が集まるようになりました。

     

    住宅地が旧市街や世界文化遺産などの観光スポットと隣接しており、観光客が市内を水着で買い物をしていたり、観光客の酔っ払いが住宅地周辺を徘徊するようになったりと、事態は日に日に深刻化。

     

    観光客と住民との間に軋轢が生じ、ついにはバルセロナ市民によって観光に対する反対デモが行われたそうです。

     

    ヴェネツィアの事例

     

    ヴェネツィアは、ヨーロッパのリゾートとして発展してきた地域です。

     

    1990年代後半から世界各国の旅行者が増加したと同時に外国資本が流入した結果、住宅価格が一気に高騰し、ヴェネツィアの居住人口は約3分の1に減少してしまいました。

     

    路地や水上交通は観光客で混雑し、住民が普段から使う店舗なども観光地化してしまったことによって、地域の人の利便性や街の歴史的な雰囲気が損なわれる問題が発生しました。

     

    こうした事態を受け、ヴェネツィア市では、転出した住民がもう一度ヴェネツィアに住めるように尽力するNPOが現れています。

     

    関連資料:京都で起こっている深刻なオーバーツーリズム

     

    参考:持続可能な観光先進国に向けて/観光庁

     

    ホテル・旅館ができるオーバーツーリズムの対策

    Zoran Zeremski – stock.adobe.com

     

    オーバーツーリズムになると、観光に訪れた人が不満を抱くだけでなく、その周辺に住む人の暮らしも圧迫されてしまうのです。

     

    そうした状況を避けるには、特定のエリアから観光客をいかに分散させ、旅の目的そのものの選択肢を広げられるかがキーポイントになります。ホテル・旅館ができる対策をチェックしていきましょう。

     

    「特別な体験」を用意する

     

    ホテル・旅館が「特別な体験」を用意できれば、観光価値を生み観光客を惹きつけることにつながります。

     

    たとえば、客室ごとにデザインを変え、新進気鋭のデザイナーたちの力を借りて話題性をつくることに成功したホテルがあります。年間の満室率も高く、観光客や地元の人々も多く訪れるスポットになっています。

     

    観光客と地元住民をつなぐ

     

    オーバーツーリズムになってしまうと、観光客と地域住民が対立してしまう傾向があります。そんな溝を埋めるために、観光客と地元住民をつなぐパイプ役となっている宿が現れているようです。

     

    その宿は人とのつながりを作ることに貢献しています。館内にはソーシャルスペースを多く設け、宿側が観光客と地元住民それぞれが過ごすうちに自然と会話を生みだせるような仕組みを作っているのです。

     

    こうしたユニークな宿は、観光の新しい目的になる可能性が秘められているかもしれません。

     

    「持続可能な観光」を目指すためにホテル・旅館も協力しよう

     

    オーバーツーリズムを改善するために観光客を制限するだけでは、地域の経済は瞬く間に停滞してしまいます。地域の経済が落ち込むと、ホテル・旅館も大打撃を受けてしまうのは想像に難くありません。

     

    これから先も経済を継続的に発展させていくためにも、持続可能な観光について真剣に考える必要があります。そのために、民間企業であるホテル・旅館も積極的にオーバーツーリズムの問題に取り込むことが不可欠なのです。

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