ワインツーリズムとは?概要や海外と日本それぞれの事例を紹介

ぶどう畑やワイナリーなどワインの産地をめぐり、その地域の食事とワインを楽しむワインツーリズム。今回はワインツーリズムの概要はもちろんのこと、世界と日本、それぞれのワインツーリズムの事例を紹介します。自治体主体となることも多い事業ですが、宿泊業でも取り入れやすいツーリズム事業のひとつです。ワインツーリズムを導入しようとお考えの宿泊業関係者の方は、参考にしてくださいね。

目次

    ワインツーリズムとは?

    ワインツーリズムとは、ぶどう畑やワイナリーを訪れて、その土地の自然や文化などに触れ、生産者の方たちと交流し、ワインや料理を楽しむ旅行スタイルのことです。ワイン愛好家でなくとも気軽に楽しめることから、人気となっています。

     

    日本ではここ最近まであまり馴染みのなかった旅行スタイルですが、海外では意外にも歴史が古く、ワイン産地として有名なフランスやアメリカ、オーストラリアなどで1980年代頃から親しまれていたようです。

     

    そのため、海外ではさまざまなスタイルのワインツーリズムが定着しており、ワイナリー周辺のレストランやホテル、旅行会社、行政機関などが協力し、ワインツーリズム事業に力を入れているといいます。

     

    ※ワインツーリズムは、一般社団法人ワインツーリズムの登録商標です。

    世界のワインツーリズム事例

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    日本よりもワインツーリズム推進に力を入れてきた世界では、地域経済の活性化に貢献した成功事例が多いようです。ここでは、いくつかの国のワインツーリズム成功事例を確認しておきましょう。

    カナダ/ナイアガラ地区

    カナダにあるナイアガラ地区には、たくさんのワイナリーがあります。このエリアは、マイナス8℃以下の真冬に収穫される冷凍ぶどうを原料としたワインの生産地として有名です。

     

    冷凍ぶどうのワインをメインに掲げ、毎年1月に「アイスワインフェスティバル」というイベントを開催しています。数カ所のワイナリーでワインのテイスティングができるほか、ワインに合う食事を楽しめるそうです。

     

    このイベントに参加して冷凍ぶどうのワインを堪能するために、毎年数多くの観光客が真冬のナイアガラを訪れるといいます。

    アメリカ/カリフォルニア州

    アメリカのカリフォルニア州にあるナパバレーという地区では、1861年に地区初の商業ワイナリーが創立し、成功したことをきっかけに、多くのワイナリーが誕生しました。

     

    そんなナパバレーのワインを世界に知らしめたのが、1976年にフランスで開催された試飲会です。なんとナパバレーのワインが、赤ワイン、白ワインそれぞれの部門で、ワインの本場であるフランスのワイナリーを抑え、1位に選ばれたのです。

     

    ナパバレーのワインが有名になったのを機に、1989年には「ナパバレー・ワイントレイン」という観光列車が開業。車内でカリフォルニアワインが振る舞われたり、沿線のワイナリーを訪問したりするなどのツアーを実施し、たくさんの観光客が訪れるようになったそうです。

    フランス

    ワインの本場としても名高いフランスでは、多くのエリアでワインツーリズムが推進されています。

     

    例えば、フランスのボルドー地区にあるワイナリーでは、小型飛行機でぶどう畑やワイナリーを上空から観光するワインツーリズムを実施しているそうです。20分前後にわたって上空からワイナリーを楽しむコースに加え、1時間の中で希望のルートを飛んでくれるコースを用意。

     

    また、ロワール地区にあるワイナリーでは、ワインを熟成・貯蔵するためのワインカーブを活用し、さまざまなアーティストの作品を紹介するイベントを実施しました。作品の中にはプロジェクションマッピングなどもあり、壁に投影された映像を楽しむことができます。

     

    ひとくちにワインツーリズムといえどさまざまなアプローチで事業が企画されており、さまざまな楽しみ方ができるのですね。

     

    出典:世界で活発化するワインツーリズム/一般社団法人 国際貿易投資研究所

    参考資料:空から畑を堪能 進化するフランスのワインツーリズム/日本経済新聞

    日本のワインツーリズム事例

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    日本でも、山梨県や長野県、北海道などの地域でワインの生産がさかんです。ここでは、これらの地域が取り組むワインツーリズムの事例を確認しておきましょう。

    山梨県

    日本を代表するワインの産地である山梨県では、2008年から「ワインツーリズムやまなし」というイベントが始まりました。このイベントはぶどう農家やワイナリー、行政、その周辺の飲食店・商店などが力を合わせて取り組んでいます。

     

    事前に参加を申し込むと、専用のマップが送られてくるのだそう。そのマップをもとに自分で当日のプランを計画し、産地を散策しながらワイナリーをめぐるというもの。ワインそのものを楽しみつつ、ぶどう畑やワイナリーを直に体感できるイベントとなっています。

    長野県

    日照時間が長く、雨が少ないなどのぶどう栽培に適した自然条件を持つ長野県は、ワイン用のぶどう生産量日本一を誇っています。

     

    そんな長野県にあるのが、千曲川ワインバレーという数多くのワイナリーが集積しているエリアです。個々のワイナリーがレストランやワインの販売、宿泊施設の併設など、ワインツーリズムを意識した取り組みを行なっています。

     

    また、夏には長野市で「GI長野ワインフェス」というイベントを開催。長野県産のワインはもちろんのこと、市内近郊の名店の長野県産食材をふんだんに使った料理、県産ビールや日本酒も楽しめるようです。

    北海道

    北海道余市郡にある余市町と仁木町では、日本有数のワイン産地を目指し、余市・仁木ワインツーリズムプロジェクトに取り組んでいます。

     

    道内の中でも比較的温暖であり、夏に雨が少ないという環境の余市町と仁木町は、フランス・ブルゴーニュに似た気候のようで、ワインづくりに適した良質なワイン用ぶどうを栽培しています。2022年時点で、余市町には16軒、仁木町には5軒のワイナリーが開業しているそうです。

     

    2つの町が札幌から比較的近いエリアであることもあり、日帰りのバスツアーを中心にワインツーリズムに取り組んでいます。メインはワイナリーの見学や試飲ですが、フルーツ狩りとセットになったもの、温泉入浴や道の駅での買い物をセットにしたものなど、さまざまなツアーを用意しているようです。

    宿泊業で取り入れられているワインツーリズムを紹介

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    日本ではまだまだ自治体が主体となって行うワインツーリズムが多いですが、実は宿泊業でも取り入れられる事業なのです。ここでは、宿泊業で取り入れられているワインツーリズムの取り組みをいくつか紹介します。

    余市ヴィンヤードグランピング

    北海道一のワイン醸造用ぶどうの生産量を誇る余市町では、道内で初めてぶどう畑に泊まれるヴィンヤードグランピングを2020年9月に開業しました。

     

    約1万平米の敷地に宿泊テントが20棟あり、客室はヨーロッパを意識したインテリアでコーディネートされています。グランピングなので、キャンプと違って道具を用意せず、手ぶらで行けるのが特徴。

     

    宿泊プランによっては、道産食材を味わえるバーベキューや季節のフルーツ狩りを楽しめるものもあるようです。

    ワイナリー見学&テイスティング付き宿泊プラン

    山梨県のとあるホテルでは、ワイナリー見学とワインのテイスティングが付いたツアー型の宿泊プランを用意しています。ホテルからワイナリーまでは送迎付きなので、移動にも困りません。

     

    ワイナリーで見学をしたあとはホテルのソムリエが厳選したオリジナルのテイスティングセットで、県産ワインを飲み比べできます。また、ホテルに戻ったその夜にはホテル最上階ワインバーでも県産ワインをテイスティングできるようです。

     

    ワインツーリズムは宿泊業を始めとする地域経済に有効

    ぶどう畑やワイナリーを見学しながら、ワインや料理を楽しめるワインツーリズム。ただワインを味わうだけではなく、ワイン造りの歴史や文化にも触れられるツーリズム事業のひとつです。日本・海外ともに、ぶどうの有名な産地で取り入れられています。

     

    現在はまだ自治体が主体となって取り組むところが多いようですが、グランピングやワイナリー見学を取り入れた宿泊プランを用意する施設もあるので、宿泊業でも取り入れやすい事業といえるでしょう。

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